塗膜が劣化するメカニズム

2025.01.09

塗料について

塗膜が劣化するメカニズム
塗膜が劣化するメカニズム

塗ったけど色が変わった。

塗り替えて5年しか経ってないのに褪せてきた。

そんなあなたに

塗膜は劣化するものだと思うべし!

塗装された表面の「退色」は、

塗膜が時間の経過とともに色あせる現象です。

主に外壁や屋根などが対象となり、美観を損ねるだけでなく、

塗膜の性能低下にもつながるため、退色のメカニズムを理解することは重要です。


1. 紫外線による塗膜の劣化

退色の最も大きな原因は、太陽からの紫外線です。

  • 紫外線の影響:
    • 紫外線が塗料に含まれる「顔料」(色の成分)や「樹脂」(塗膜の結合成分)にダメージを与えます。

特に紫外線は「顔料分子」を分解しやすく、

色を構成する化学物質が変質してしまいます。

これにより、色の鮮やかさが失われ、

塗膜が退色します。

  • 樹脂の劣化:
    • 塗料の中の樹脂が分解されると、
    • 顔料を固定する力が弱まり、
    • 顔料が表面から剥がれやすくなります。

2. 酸素と湿気の影響(酸化と水分)

  • 酸化作用:
    • 空気中の酸素が塗膜の成分と反応し、化学的な変化を引き起こします(酸化)。

酸化により、塗膜の表面が脆くなり、

色の濃さや鮮やかさが失われます。

  • 湿気の影響:
    • 雨や湿気により塗膜が徐々に侵食され、顔料や樹脂の分子構造が破壊されます。

特に塗料の種類によっては水に弱い成分が含まれており、

これが劣化を促進します。


3. 汚染物質の付着と化学反応

  • 大気中の汚染物質:
    • 排気ガスや酸性雨などの大気汚染物質が塗膜に付着すると、塗膜の成分と化学反応を起こし、退色を引き起こします。
  • アルカリ性の影響:
    • 特に新築時のコンクリートやモルタルのアルカリ成分が塗膜に影響を与え、塗料の顔料や樹脂を劣化させます(白化現象とも関連)。

4. 塗料の種類による影響

塗料の種類によって退色のしやすさが異なります。

主な塗料の種類

  • アクリル塗料:
    • 比較的安価ですが、紫外線に弱く、退色しやすい。
  • ウレタン塗料:
    • アクリルより耐久性は高いが、やや退色しやすい。
  • シリコン塗料:
    • 紫外線や酸化に強く、退色しにくい特性がある。
  • フッ素塗料:
    • 高耐久性で退色しにくく、長期間色を保つことが可能。

5. 色の違いによる退色速度

色によって退色の速度が異なることも重要なポイントです。

  • 明るい色:
    • 白や淡い色は、退色が目立ちにくいですが、表面の汚れが目立つ場合があります。
  • 濃い色:
    • 濃い色(赤や青)は紫外線の影響を受けやすく、退色が目立ちやすいです。
    • 黒や暗色系は熱を吸収しやすく、劣化が早まることがあります。

対策

主な退色を防ぐ方法

  • 耐候性の高い塗料を選ぶ:
    • フッ素塗料やシリコン塗料など、紫外線や酸化に強い塗料を使用する。
  • 定期的なメンテナンス:
    • 汚れを定期的に洗い流し、塗膜を清潔に保つ。
  • トップコートの使用:
    • 紫外線を防ぐトップコートを塗布することで、塗膜の劣化を遅らせる。
  • 日陰を作る工夫:
    • 建物周辺に植栽や日よけを設置し、紫外線の直接的な影響を軽減する。

まとめ

塗膜の退色は、紫外線や酸化、

湿気などの外的要因によるもので、

塗料の選び方や施工後のメンテナンスによって大幅に軽減できます。

適切な対応を取ることで、

美観と機能を長く保つことが可能です。

合同会社装麗では、塗料のプロの専門知識を活かし

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