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塗装単価の現状とこれから
2024.12.28
塗装について
塗装って高いイメージ。
物価高で価格上がってそう。
こう思われている方が多いではないかと思いますが
私の結論から言うと
ここ数年で材料費は約1.3倍に(※商品による)ようやく高止まりしそうな塗料業界ですが、塗装は、これから上がってきます。
というもの、
熊本地震から8年、コロナ禍を経て現在がありますが、
今が一番現場の数が少ないと感じています。
ざっくり言うと、
『材料は高いけど競争激しいからとりあえず値下げしちゃお』といった状況です。
昔からこの業界はこういうマインドでやってきたため、
塗料は限界まで価格が落ちた後に少しづつ上がってきています。
最もイージーな戦略であることは間違いありませんが、明るい未来が待っているとは思えません。
次に、需要と供給の視点でみていきましょう。
塗り替えの需要と供給の実状
経済学の基本的な法則に従うと、需要より供給が多い場合、価格は下落する傾向があります。
これを供給過剰の状態といい、
具体的には以下のメカニズムで価格が変化します。
供給過剰の価格への影響
供給過剰の価格への影響
1.在庫の増加:
- 商品やサービスの供給量が需要を上回ると、供給者側で在庫が増える。
- 稼働率の低下が原因。
2.競争の激化:
- 顧客を取り合うため、各業者が価格を下げる競争に陥る。
- 顧客は価格の安い業者を選ぶ傾向が強まる。
3.価格下落:
- 市場全体で価格を引き下げる動きが広がる。
- 利益率を確保するために品質やサービス内容の低下が行われる。
4.供給者の退出:
- 価格競争が激化し、利益が出なくなる業者が退出。
- 供給量が減少し、価格が再び安定することがある。
塗り替え市場への影響
- 短期的な価格の下落:
- 供給が需要を大幅に上回る場合、工事価格が大幅に安くなることが予想される。
- 長期的な質の変化:
- 過度な価格競争が進むと、安価な塗料の使用や施工品質の低下につながるリスクがある。
需要と供給を均衡させるポイント
- 供給過剰による価格低下を抑えるには、差別化(高品質、特別なサービス)が重要。
- 業界全体で適正価格を維持する取り組みが求められる。
このように、供給が需要を上回ると価格は下がる傾向にありますが、
長期的には市場の構造や競争状況によって変化します。
次に、塗料はどのように価格が上がっているのかを解説します。
塗料はどのように価格が上がるのか
塗料の価格が上がる原因には、主に以下のような原因が挙げられます。
それぞれが市場に与える影響を考慮することで、価格上昇の背景を理解できます。
1. 原材料費の高騰
- 石油価格の上昇:
- 塗料の主成分である樹脂や溶剤は石油由来であることが多いため、原油価格の上昇が直接的に影響します。
- 顔料や添加物の価格上昇:
- 塗料の色や性能を高めるために使用される顔料や特殊添加剤が高騰し、製品全体の価格が上がります。
2. 為替レートの変動
- 輸入材料のコスト増加:
- 日本の塗料メーカーは多くの原材料を海外から輸入しています。円安になると、輸入コストが増加し、その分が価格に転嫁されます。
3. 生産コストの上昇
- エネルギーコストの増加:
- 工場での生産に必要な電力や燃料費が高騰すると、生産コストが増加します。
- 労働コストの上昇:
- 人手不足や賃金引き上げの影響で、塗料製造や物流に関わる人件費が増加する場合があります。
4. 物流コストの増加
- 燃料費の上昇:
- ガソリンやディーゼル燃料の価格上昇は、塗料の輸送コストを押し上げます。
- 輸送の遅延や需給逼迫:
- 物流業界の人材不足や災害などの影響で、輸送コストが高騰することもあります。
5. 需要増加
- 建設業界やリフォーム需要の増加:
- 建設や住宅リフォームが活発になると、塗料の需要が高まり、価格が上昇します。
- 新興国の需要増:
- 新興国での都市化や建設需要の拡大が、世界的な塗料の需要を押し上げ、供給不足を引き起こすことがあります。
6. 環境規制や技術革新
- 環境対応製品への移行:
- VOC(揮発性有機化合物)規制や環境に配慮した製品の開発により、従来品よりも製造コストの高い塗料が求められることがあります。
- 新技術や高機能製品の投入:
- 高耐久性や特定の性能(防汚、断熱など)を持つ塗料の開発が進むと、それらの製品価格が高く設定されることがあります。
7. 災害や特殊な市場状況
- 自然災害:
- 台風や地震などで需要が急増する一方、原材料の供給が一時的に滞ると価格が高騰します。
- パンデミックや国際情勢の影響:
- COVID-19のようなパンデミックや国際的な紛争(例: ロシア・ウクライナ戦争)で物流や材料供給が混乱すると、価格が上がる要因になります。
8. 供給不足
- 工場閉鎖や生産能力の減少:
- 天災や設備の老朽化などで主要な工場が停止した場合、供給不足によって価格が上昇します。
- 特定材料の供給制限:
- チタン白のような重要材料の産地で供給が制限されると、塗料全体の価格に影響を及ぼします。
塗料の価格上昇は、複数の要因が複雑に絡み合って起こることがわかっていただけると思います。
今後は施工価格も上がる
(1) 原材料費の高騰
- 塗料の価格上昇: 原材料(樹脂、溶剤、顔料など)が高騰すると、塗装業者のコストが増加し、施工価格に転嫁される可能性があります。
- 輸送コストの上昇: 燃料価格や物流コストの増加も価格上昇の一因となります。
(2) 労働力不足
- 人件費の増加: 熟練した塗装職人の減少や建設業界全体の人手不足により、人件費が上がり、それが施工価格に反映されます。
- 人材確保の競争: 業者間での人材争奪戦が激化すれば、価格が上昇する可能性があります。
(3) 環境規制の強化
- エコ製品や技術への対応: 環境に配慮した塗料や施工方法を採用するためのコストが増加する場合、価格に上乗せされる可能性があります。
(4) 需要の増加
- リフォーム需要の増加: 住宅の老朽化が進む地域では、塗装需要が増え、それに伴い施工価格が上昇することがあります。
- 災害復興需要: 自然災害後の修繕需要が高まると、一時的に価格が上昇することがあります。
短期的には:
- 原材料費や労働力不足の影響で施工価格が上昇する可能性が高い。
- 災害や経済政策による影響で、地域的な変動が起こる可能性もある。
長期的には:
- 技術革新や環境対応技術の普及により、効率的な施工が可能になることで価格が安定する可能性がある。
- 一方で、職人不足や高齢化の影響が続く限り、施工価格の上昇傾向は持続する可能性もある。
最後に
- 需要の時期を見極める: 需要が少ない時期に依頼することで、比較的安価に施工を依頼できる可能性があります。
- 業者選びの工夫: 業者を比較し、適正価格で施工を依頼することが重要です。
- 長期的な計画: 塗装の耐用年数を見越して、計画的に予算を立てることで価格変動の影響を抑えることができます。
価格動向は地域や市場の動きによって異なるため、適宜情報収集を行うことが重要です。
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